普段飲む安いワインっていつまで飲めるんですか?おいとくと美味しくなりますか?
手頃なワインは2年までくらいかなぁ。おいといても風味が落ちるだけかも。
ワインには賞味期限が書いてありませんよね。
いったいいつまで飲めるんでしょう?置いといたら熟成しておいしくなる?
普段飲みのワインを例に、賞味期限と保存についてまとめました。
ワインに賞味期限はない?
念のため「賞味期限」とはどういう意味なのか、正しい定義を確認してみました。
農林水産省のホームページにはこう書いてありました。
書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html
でもワインには「保存方法」も「年月日」も何も書いてありません。
なぜかというと、お酒は「品質の変化が極めて少ないもの」に分類され「消費期限又は賞味期限」を省略してよいことになっているからなんです。
消費者庁 早わかり食品表示ガイド<事業者向け> P19より
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/pdf/jas_1606_all.pdf
日本の法律上では「ワインには賞味期限はない」→正確には「ワイン(酒類)には記載しなければいけない賞味期限は定められてない」ということになっているんですね。
期限はない、というと永遠にOKなの?考えてしまいますが、実際のところワインには「飲み頃」という「おいしく食べられる(飲める)期間」がありますよね。
そのあたりを掘り下げていきましょう。
ワインの賞味期限(飲み頃)とは?
ワインは、瓶詰めしたあとも生きていて、味わいが変化していく飲み物です。
1〜2年の新しいワインは、フレッシュで瑞々しい果実味が楽しめます。
5〜15年の飲み頃のワインは、熟成による風味が出て、そのワインの潜在能力のピークを楽しめます。
20年以上の年代物のワインは、まるで紅茶やシェリーのような他にはない風味が楽しめます。
(※年数はあくまで一例です。ワインによりぜーんぜん異なります。)
どの段階でもそれぞれの味わいが楽しめるので、賞味期限はずーっと!ですよと言いたいところですが、人によってはいわゆる「飲み頃」以外は「若すぎる」「ピークを過ぎている」と考える方もいるかと思います。
ピークだけを追い求めず、それぞれの状態の良さを楽しんで欲しいなと思いますが・・・それはまた別の話ですね。
でも、今ご紹介した段階は、あくまで「熟成するワイン」のことなので、今回お話しする「安いワイン」には残念ながらあてはまらない場合が多いんです。
安いワインの賞味期限(飲み頃)とは?
安いワイン・・・私がいつも飲んでいるような手頃なワインだと、あまり長期熟成することを前提として作られていない場合が多いです。
そういうワインの場合、
1〜2年は、フレッシュで瑞々しい果実味が楽しめます。
3年も経てば果実味はなくなるでしょう。
それ以上経つと・・・飲んでも害はないですが、熟成しないのですっかり枯れた味わいになるでしょう。酢になってるかも。
手頃な価格でもしっかり作られているワインもあるので、一概には言えないですが普段飲むワインに熟成は必要なく、飲み頃は買ってすぐから1〜2年以内、遅くとも3年には飲むことをおすすめします。
安いワインを熟成させる保存方法はある?
手頃なワインでも、熟成に耐えるものはあります。
そう聞くとお家で熟成させて、変化を楽しんでみようかしら、と思いますよね。
でも、あまりおすすめできないかもです。
ワインを熟成させる方法
安いワインでも高いワインでも、熟成させる方法は同じです。
良い環境で、ひたすらほっとくだけです。
ポイントは2つ
・乾燥しないように、適度な湿度を保つこと。
・急激な温度変化・振動を与えないこと。
これがなかなか難しいのです。
ワインの熟成がおすすめできない理由
温度変化がなく湿度のある場所ってどこでしょうね?
よく、冷蔵庫の野菜室がよいという説がありますが、これはあまりおすすめできません。
冷蔵庫って、1日に何度も開け閉めしますよね?
ワインがしっかり固定されていたとしても、ドアの開閉の衝撃はワインにかなりの振動を与えます。
それが毎日頻繁におこるのではワインにとって良い環境とはとても言えません。
常温で放置するとか、普通の冷蔵庫のポケットに入れるよりはマシ、と言う程度の話です
普通のご家庭で保存するなら、私は野菜室より押入れの方をおすすめします。
それも、<直射日光のあたらない、高温にならない場所であること>、<たまにしか開けない場所>という条件付きですが。
熟成させることをお勧めしないのは、自宅では保存に適した環境を作ることが難しいからです。
ワインの熟成にかかるコスト
どうしても熟成させたい場合、ワインの保管のプロに預けることをおすすめします。
エノテカのレンタルセラーなら1ケース6,600円(年間)で預かってくれます。
一本あたり550円です。
https://www.enoteca.co.jp/cellar/guide/mix_cellar.html
12本もないよ、という方は、寺田倉庫の「ワインストレージ」なら1本から1,188円(年間)で預けられますよ。
https://terradawine.com/terradawinestorage/ja/
1本のワインを3年熟成させるとしたら、3,564円かかりますね。(送料・箱代別)
思い入れのある良いワインなら、預けたほうがいいと思いますが・・・安いワインにこのコスト、かけます?
手頃なワインは熟成して美味しくなることは期待できないので、そのコストをかけるくらいなら、その金額で既に熟成したワインを買った方がいいと思いますよ!
安いワインの賞味期限と熟成についてまとめ
どういう状態になれば「熟成」した、と言えるのでしょうか。
熟成肉は、置いておくと酵素で分解されて風味・旨味が出ます。
お味噌などの発酵食品は、発酵したあとにゆっくり化学変化して旨味が出ますね
要は「おいといたら美味しくなる」って感じですよね。
安いワインの場合、おいといてもほとんどの場合は風味が落ちてしまいます。
酸化してまずくなるリスクの方が高いくらいです。
旨味が増えないのであれば「熟成」とは言えませんよね。
安いワインの賞味期限(飲み頃):フレッシュさが楽しめる1〜2年
安いワインを熟成させると:熟成せず、風味が落ちてしまう
熟成せずにすぐ美味しく飲めるのが手頃なワインの魅力です。
その魅力が楽しめる1〜2年までが飲み頃です、早めに楽しみましょう♪