シャンパンて言ったり、スパークリングワインって言ったり、一体何が違うの?
魚沼産コシヒカリと、その他ブレンド米みたいなもんです。
なにそれww
シャンパンを頼もうと思ったら、メニューに「スパークリングワイン」しかなくてびっくりしたことはありませんか?
何が違うのか?どうオーダーしたら良いのか?元ソムリエールがレストランでのスマートなオーダー方法を伝授します。
シャンパンとスパークリングワインの違いとは?
シャンパンについて調べると、製法などのむずかしい説明が多いですが、シンプルに図解するとこうなります。
『シャンパン』はスパークリングワインの一部!?
スパークリングワインとは「パチパチと泡の出るタイプのワイン全て」を指します。
これに対して、シャンパンとは「フランス北部・シャンパーニュ地方で、定められた製法に則って作り、【シャンパン】と名乗ることを認められたスパークリングワイン」のことを指します。
シャンパンもスパークリングワインの一部ということです。
さらに、「シャンパン」はフランスのものなので、他の国ではこのような呼び方になります。
なので、イタリアンレストランなどフランスワインの取扱のないお店に行くと「シャンパン」という表記がない場合があるんですね。
お気づきかもしれませんが、ヴァンムスー(仏)、スプマンテ(伊)、エスプモーソ(西)、シャウムヴァイン(独)というのは「スパークリングワイン」を各国の言葉で言っただけです。
スパークリングワイン中でも、”うちだけのこだわり”で作ったものに「シャンパン」「フランチャコルタ」「カヴァ」「ゼクト」など特別な名前がつけられています。
生産者は誇りをもっているので、他のものと一緒にされるのととても嫌い、「シャンパーニュ」という名称を他のことに使って訴えられた事例もあるんですよ。
日本では「シャンパン」=スパークリングワインと思われている?
日本では「泡の出るワイン」のことを「シャンパン」と呼ぶのが先に定着してしまったため、まだスパークリングワインのことを「シャンパン」と呼ぶ人がたくさんいます。
結婚式などで「それでは、シャンパンで乾杯しましょう!!」という掛け声とともに、各テーブルに配られたのは、シャンパーニュ地方産ではなく、他の国のスパークリングワインだったりすることもよくあります。
「シャンペン」って言うおっちゃんいるよね
フランスの法律からすると「スパークリングワインをシャンパンと呼ぶのは間違いだ」ということになります。
これはよく知られた蘊蓄なので、お祝いの席などで出てきたスパークリングワインに「これはシャンパーニュではないよ。本来シャンパーニュと言うのはね・・・」とか言う人がたまにいますが、無粋なのでやめましょうね。
シャンパンとスパークリングワインの味の違いは?
シャンパンの方が高級で、美味しいの?
必ずしもそうではないですよ。
シャンパンの方がおいしいの?と思われがちですが、必ずしもそうではないです。
これだけ「シャンパン」という名前が有名になるくらいですから、多くの人を魅了してきたシャンパンの味には定評があります。ですが他の国・地域にも美味しいスパークリングワインはたくさんあります。
簡単に味の違いを説明しますね。
シャンパンの味の特徴
シャンパンは、「シャンパーニュ地方のぶどう」だけを使って、法律で決めた以上の期間熟成させるため、洗練された、個性的な、複雑な味わいが楽しめます。
シャンパンなら「複雑で上品な味わい」が約束されている、ということが言えます。
レモン、グレープフルーツ、青リンゴ、白い花の香り、蜂蜜、マロン、トースト香、泡立ちもきめ細やかで豊か、などなど好きな人はこのように褒めますが、あまり好みではない方は「酸っぱい」「全然甘くない」と感じる人もいます。
・シャンパンは「複雑で上品な味わい」が楽しめる。
・酸っぱかったり、甘みがなくて飲みにくいと感じる人も
スパークリングワインの味の特徴
そんなシャンパンの複雑な味わいが好きでない方には、フレッシュな口当たりの良いスパークリングワインの方が口に合うこともよくあります。
「スパークリングワイン」と名乗るためには、どこのブドウで・・などという縛りがありません。
安価なブドウで作ることもできれば、こだわりのブドウをあつめて作ることもできます。
そのため、スパークリングワインの品質はメーカー次第、玉石混合状態です。
でも見分けるのは意外に簡単、ほぼ価格に比例します。
1,000円前後の手頃なスパークリングワインであれば、フレッシュな林檎、ブドウそのままのアロマ、飲み口を良くした甘口のスパークリングワインもあります。
2〜3,000円以上してくると産地や作り方の個性を出そうを工夫しているものが多いので、複雑なものが増えてきます。
・手頃なスパークリングワインはフレッシュな口当たりのものが多い
・縛りがないので味は様々。価格に比例して複雑になる。
美味しいスパークリングワインをオーダーする方法
さて、シャンパンと書いてあれば、複雑な高級感のある味わいが楽しめるのはわかりましたが、「スパークリングワイン」だった場合どう判断したらよいのでしょうか。
美味しいスパークリングワインはソムリエに選んでもらおう
前述のとおり、スパークリングワインの味は玉石混合なので一概に言えないのが難しいところです。
ですので、そう言う場合はソムリエやホールスタッフにこう聞いてみましょう。
「このスパークリングワインにはどのお料理が合いますか?」
スパークリングワインはたくさんあるのに、なぜこのスパークリングワインをお店で出そうと思ったのか?その魅力を教えてもらいましょう。
「このスパークリングワインはふくよかで果実味もあるタイプなので、前菜ならパテやサラミ、メインディッシュなら兎や鶏肉が合いますよ」
などと、そのお店での楽しみ方をアドバイスしてくれるはずです。
知っていて飲むのと、知らずに飲むのとでは味が全然違いますからね^^
上から「美味いワイン持ってこい!!」ではなく「お店のおすすめのワインのよさを楽しめるメニューを教えてください」と言う感じです。
スタッフとのコミュニケーションを楽しめるのが素敵な大人ですよね。
シャンパンとスパークリングワインの違い まとめ
シャンパンとスパークリングワインの違いについてまとめます。
・シャンパンは「複雑で上品な味わい」が楽しめる。
・酸っぱかったり、甘みがなくて飲みにくいと感じる人も
・手頃なスパークリングワインはフレッシュな口当たりのものが多い
・縛りがないので味は様々。価格に比例して複雑になる。
・美味しいスパークリングワインを知りたければソムリエにアドバイスをもらおう!
・ソムリエからアドバイスをもらう時は上から目線ではなくスタッフとのコミュニケーションを楽しもう
「シャンパン」と書いてあれば、複雑味のある豊かな味わいが期待できると言えますが、それもシャンパンメーカーやブランドによって異なってきます。
「スパークリングワイン」の場合は、こだわり・複雑味はメーカー次第で、手ごろなものであれば飲みやすくフレッシュなタイプが多いでしょう。
手頃な価格帯でもおいしいものはたくさんありますので、「シャンパンじゃないと!」などと決めつけるのはもったいない。
スタッフとのコミュニケーションを楽しみながら、おすすめのワインの魅力を堪能して、いろんな味わいを体験してみてくださいね。