中華とワインのマリアージュを山梨県立大学で学ぶ!とっておきのペアリングとは?

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この記事は<山梨県立大学> PENTAS YAMANASHIの授業のレビューです。
PENTAS YAMANASHIとは社会人でも受講できる、山梨の地方創生を担う人材を育成するプログラムなんですよ。

ここで「料理とワインのマリアージュ」の授業があると聞き、早速申し込んでみました。(全6回)
4回目は「中華とワインのマリアージュ」でした!

画像はイメージです

今回は中華料理3種類。それぞれ合わせたワイン3種類とのペアリングを体験しました!
合わせたワインはこちらです。

サントリー フロムファーム 登美の丘〈ロゼ〉2021、ルバイヤート シャルドネ「旧屋敷収穫」2021、ルバイヤート メルロー「塩尻収穫」2012のボトル
サントリー フロムファーム 登美の丘〈ロゼ〉2021、ルバイヤート シャルドネ「旧屋敷収穫」2021、ルバイヤート メルロー「塩尻収穫」2012のバックラベル
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それでは詳しくご紹介します!

中華料理とワインを合わせるコツ

中華料理の特徴は その国土の広さ、人種の多さから食材、調理方法が幅広く、多種多様な料理があること。

また、中華料理ではワインの表現用語に使われる香辛料がよく用いられるため、実はワインに合わせやすいんですって。(コショウ、シナモン、生姜、アニス、クローヴ、コリアンダーなど)

画像はイメージです

また、日本での中華料理は日本の食材を使っているので、日本ワインがとても合わせやすいとのことでした。なるほど、そうなのねー。(そしたら日本で作る料理はだいたい日本ワインが合うのかしら?)

共通点を探すのがポイント

料理とワインに何らかの「共通点」を作るとペアリングしやすくなると教わりました。

① 色を合わせる
② 風味を合わせる
③ 重みを合わせる

たとえば、1つ目のペアリングは「エビ料理にロゼワイン」を合わせています。
これは①の食材・ソースの色とワインの色を合わせた例ですね。

それでは詳しくみていきましょう。

中華料理とワインのペアリング レビュー

「ロゼワイン × ボタンエビの海老オイル和え」

ワインはこちら。

サントリー フロムファーム 登美の丘〈ロゼ〉2021です!

価格¥3,300
品種山梨県甲斐市産
プティ・ヴェルド48%、
メルロ32%、
カベルネ・ソーヴィニヨン20%
アルコール12.5%
※ 2022は¥6,600
テイスティングコメント

輝きのある、オレンジがかった綺麗なピンク。粘性もあります。爽やかな甘い香り、ピーチやアセロラのよう。アルコールのボリューム感も感じます。アタックはまろやかな甘さが広がり、キリッとした酸味が余韻まで残りました。甘味、ボリューム、酸味それぞれ豊かでバランス良くとても美味しいロゼワインです。

ここで先生からテイスティングの考え方についてレクチャーがありました。

Tips

ピンク色のロゼワインがオレンジ色に見える理由は何でしょうか?

樽熟成した場合、好気的(酸素を含む)で酸化が進みやすくなります。逆にステンレスなら進みにくいので、オレンジ色を帯びているということは、空気に触れているかもしれないとも考えられます。

キジトラ
キジトラ

なるほど、樽を使ってるかどうかって色からもわかるのね!

ではお料理に合わせてみましょう!
ボタンエビの海老オイル和え 花捲き添え」です!ピンク色で何とも可愛い組み合わせです♪

ボタンエビの海老オイル和え 花捲き添え

海老オイルはエビの殻を油に入れて煮込んで香りを出したんだとか。めっちゃいい香りです……!
エビの甘さとねっとり感がもう美味しくてうっとりするくらいでした。

キジトラ
キジトラ

色はもちろん、甘さがよく合う!!

エビの甘さとワインの甘さがよく合っており、ワインのアルコール分がオイルをスッキリ流してくれてこれは素敵なペアリング!ペアリングのコツ、①の色合わせだけでなく、③の重さも合ってますね。

ワインは樽熟成しているのでスパイシーさが出て、それがまた合うんですって。(私はスパイスはよくわからなかった)

ここで問題です。

Tips

樽を使うのは、発酵する時と熟成する時の2回です。
さて樽香がより強くなるのはどちらの醸造方法でしょうか?

① 樽で発酵 → 樽で熟成

② ステンレスタンクで発酵 → 樽で熟成

キジトラの答え⇩

キジトラ
キジトラ

そりゃあ①と言いたいけど、わざわざ問題にするってことは②なんでしょ?

正解!(笑)私ひねくれすぎですねw
発酵する時に澱が出るので、樽の風味は澱になってしまうそう。
ワインになってから樽に触れる方が風味を吸収するんですって。意外です!

では次のペアリングです♪

「白ワイン × 帆立と銀杏の春巻き・他」

合わせる白ワインはこちら。

ルバイヤート シャルドネ「旧屋敷収穫」2021
https://www.rubaiyat.jp/item/310/

価格¥4,400
品種勝沼産
シャルドネ100%
アルコール12.5%
樽熟成新樽40% 8ヶ月
テイスティングコメント

色合い淡く、やや緑がかったレモンイエローレモン、ゆずの香りにミネラル感、香ばしい樽の香り。味わいも爽やかなレモンの酸味に、とてもしっかり樽が効いていて甘香ばしいバニラの風味。余韻にも心地よい苦味が残る。

とてもしっかり樽の効いた、香ばしいリッチな白ワインでした。マロラクティック発酵もしているそう。

ここで先生からマロラクティック発酵について説明がありました。

Tips

マロラクティック発酵(malolactic fermentation, MLF) とは……乳酸菌を加え、ワインのリンゴ酸を乳酸に変化させること。酸味が柔らかくなり、バターや杏仁豆腐の香りがするワインになる。

樽が効いて、マロラクティック発酵もしている重ためのワインなので、揚げ物との相性が期待できますね!
お料理はこちらです。

帆立と銀杏の春巻き

帆立と銀杏の春巻き

ホタテのミルキーさと樽のバニラを合わせたペアリングだそう。
パリパリの皮を齧ると、ふわっと甘い最高に美味しいホタテが溢れます♪めっちゃおいしい……!

こちらも皮の油をワインの厚みがさっと流してくれます。でも、ホタテの甘味にはワインの酸が強めかなと感じました。
添えてあるスダチを絞るとちょうどいい感じになりました。スダチを絞ることで②の風味を合わせることができるんですね。

スダチなしで、ロゼワインと合わせるのもホタテの甘味が引き立って、これまた美味しかったです!

春巻きはもう一つ、「秋刀魚の春巻き」も!嬉しい!

秋刀魚の春巻き

秋刀魚も本当美味しい!塩がやや強めでワインの酸味、ミネラル感ととてもよく合います。魚の生臭みもすっかり消してくれました!

秋刀魚にロゼワインも合わせてみたんですが、生臭みがのこってしまいました。やっぱり青魚には柑橘ですね♪

それでは最後の赤ワインのペアリングです!

「赤ワイン × 焼きたて叉焼」

ワインはなんとこちら、10年以上熟成した貴重なワインです!細かな澱が舞うので先生がデキャンタージュしてくれました。

ルバイヤート メルロー「塩尻収穫」2012

価格¥4,950
品種長野県塩尻市
メルロー100%
アルコール12.5%
樽熟成一空樽
※ 一空樽……一度使った樽のこと
テイスティングコメント

色濃くエッジは鮮やかなルビー。粘性は中程度。
香りはとても複雑。カシスや凝縮されたブルーベリーのような香りと、樽、クローヴ、インクなどさまざま。
味わいは香ばしさが印象的で、甘味も酸味もしっかりある。

10年以上熟成していたけど、まだまだパワフルなワインでした。

お料理はこちら「焼きたて叉焼 菊の酢漬け」です。

焼きたて叉焼 菊の酢漬け

色もすごく合っていますね!こちらの叉焼、ものすごく手の込んだ下ごしらえをされていて、その場で炙って仕上げてくださって温かいままいただけました♪豚の脂の甘さとしまった肉質がすごく美味しい!噛むほどに旨みを感じました。

ワインと合わせると、豚の皮の香ばしさワインのさまざまな香りが絶妙です♪
余韻に少しだけインク感が残る感じです。ワインが熟成されててこなれていたので、もう少し甘味など強めのワインでも良かったのかなと感じました。

ペアリングのまとめと感想

それぞれの食材・ワインをすべて合わせてみたらこうなりました!(個人の感想です)

ロゼワイン白ワイン赤ワイン
海老オイル和えエビとワインの絶妙な甘さ、重さがよく合う合わなくはないが、物足りないエビのおいしさを全てかき消して生臭みが残る
帆立の春巻き甘味がとても引き立ち美味しい美味しいが、ワインの酸が残るタンニンばかりが残る
帆立の春巻き+スダチ酸味がワインを苦く感じさせたボリューム、酸のバランスがとてもいい
秋刀魚の春巻き生臭みが目立つ生臭みが綺麗に消え、香ばしさが心地よいこれは合わない……えぐみが事故レベル
焼きたて叉焼ワインの甘味が意外とよく合う爽やかだったが、樽香とぶつかる複雑な香りが絶妙

今回は「ボリュームのあるロゼ」「樽香のしっかりした白」「複雑で繊細な赤」だったのでこのような結果になりましたが、もっと甘いロゼだったり、もっと酸とミネラルのスッキリした白だったら全然違う結果になると思います。

当たり前かもしれませんが、ワインの味わいや特徴をしっかり確認しておかないと、お料理に合わせるのは難しいですよね。
逆にいうとしっかり把握しておけば、色、ボリュームや風味を近づけることでワインに合わせた料理が作れる……かもしれません。

先生とっておきの中華ペアリングはこれ!

キジトラ
キジトラ

余談ですが、先生が四川省との交流イベントで「山椒を効かせた麻婆豆腐」に合わせたワインは「サントリーのビジュノワール」が大好評だったんですって。今度やってみます!甘口の「マンズワインの古酒甲州」も万能だったんだとか!

今回のお料理を作ってくれたレストラン

今回の素晴らしく美味しいお料理は、甲府の人気高級中華料理店、NIGRAT(二グラット)さんのご協力によるものです。本当にありがとうございました!めっちゃ人気らしい…!いつか行ってみたいですね。

NIGRAT(二グラット)ホームページ
https://chinese-nigrat.com/
Instagram
https://www.instagram.com/nigrat1192/

PENTASの皆様、本当にありがとうございました♪

PENTAS | 山梨県立大学
https://www.pentas.yamanashi.jp/