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この記事は<山梨県立大学> PENTAS YAMANASHIの授業のレビューです。
PENTAS YAMANASHIとは、社会人でも受講できる山梨の地方創生を担う人材を育成するプログラム。「料理とワインのマリアージュ」が学べると聞いて早速申し込みました!
5回目は「チーズとワインのマリアージュ」でした!
以下のチーズ3種類・ワイン3種類のペアリングを学びましたよ♪
チーズはまるでレアチーズケーキ!!のブリアサヴァラン(フレ)に、どこのブルーチーズかな?と思ったらなんと名店アトリエ・ド・フロマージュ(長野)のブルーチーズ!うわぁ美味しそう!めっちゃテンションあがります!
チーズくわしくは↓
チーズ名 | タイプ | 乳種 | 産地 | 参考URL |
---|---|---|---|---|
ブリアサヴァラン | フレッシュ | 牛乳 | フランス ・ブルゴーニュ ・ヨンヌ | https://shop.fermier.co.jp/view/item/000000001056 |
アウスア ・ウジョア | セミハード | 牛乳 | スペイン ・ガリシア | https://shop.fermier.co.jp/view/item/000000000405?category_page_id=ct15 |
翡翠 | ブルーチーズ | 牛乳 | 日本 ・長野 | https://www.a- .co.jp/shop/products/detail.php?product_id=351 |
そして合わせるワインはこちらの3本でした!
- キザン スパークリング トラディショナルブリュット2021
- デラウェア オランジュ 2020(マルス穂坂ワイナリー)
- 周五郎(グレイスワイン)
ワインについては追って詳しくご紹介しますね。
講座では「ブルーチーズ初めて食べる!」という学生さんもいらっしゃいました。大丈夫かな?苦手じゃないといいでのすが、どんな感想が出るかちょっと楽しみです。
今回は、甲府のフレンチレストラン&パティスリー「ボンマルシェ」(http://bonmarche.jp/)のソムリエ、吉田さんがチーズとワインについて詳しく説明してくれました。吉田さんはチーズプロフェッショナルの資格もお持ちで、とてもわかりやすく面白く紹介してくれました。お話上手ですっごく楽しかった!
私もチーズの基本的なことはわかっているつもりでしたが、知らないことたくさん教わりました!いくつかご紹介しますね。
知ってるとより楽しめるかも?チーズの知識
- 昔、ブルーチーズは塩辛かったのは保存のためだった。最近では技術が発達して塩気がマイルドなものも作れるようになった。
- シェーブルチーズに小ぶりな物が多いのは、そもそも羊が牛より体が小さく搾乳量が少ないため。(小さくて乾燥しやすく、管理が難しいため日本では状態のいいシェーブルは少ない)
- ミルクは子ヤギのためのものなので、子ヤギが飲まなくなった4月〜9月頃に作られていた。(今はコントロールしている)
- ハード、セミハードチーズは保存のために加熱した。そのため自宅でも保存が効き、扱いやすい。
また、チーズは保存状態で全然味が変わります。ですよね。
今回のチーズは名店「フェルミエ」(https://fermier.co.jp/)と「アトリエ・ド・フロマージュ(https://www.a-fromage.co.jp/)」からお取り寄せしてくださったそうで、最高の状態でした。
ところで私が勉強を始めた頃、チーズはなるべく安いお店で買っていました(今もだけど)。そんなある日、フェルミエのチーズ食べたら、味の違い違いに愕然……!「状態」とはよくいうけど、同じチーズが状態だけでここまで味が違うものかと驚きました。
チーズは苦手と思っている方は、食べたチーズの状態が良くなかったのかもしれません。一度はフェルミエのチーズ食べてみてほしいです。
学生さん、初めて食べるのがフェルミエとアトリエ・ド・フロマージュのチーズで本当に良かったね!!
(今後手頃なの買ったらガッカリするかもしれないから気をつけてww)
さてそれではペアリングをご紹介します!
まず、今までに教わったペアリングのポイントをまとめてくださいました。
ペアリングの7つのポイント
ペアリングの授業は今回が最終回。
今まで教わったペアリングのポイントをおさらいしてまとめてくださいました。
ポイントは以下の7つです。
① 同じ産地同士の物を合わせる
② 味わい、香りの共通点で合わせる
③ 味わいの強弱で合わせる
④ 熟成度合いを同じ物で合わせる
⑤ 味わいの対極の物を合わせる
⑥ 食感の軽さ・重さで合わせる
⑦ 味と香りを補完する
たくさんあるなぁ。③と⑥の違いがよくわからなくなってきました……(笑)
そんな私のために(?)授業ではそれぞれのペアリングのポイントがどれかを解説してくれました。
それでは早速ペアリングをご紹介していきますね。
チーズとワインのペアリング レビュー
辛口スパークリング ✖️ 甘くないフレッシュチーズ
ワインは、キザン スパークリング トラディショナルブリュット2021です。
綺麗な明るいオレンジ色。泡立ちが豊かでとても細かい。静かにキラキラしてる。粘性は軽めでボリュームは中程度。白い花、かりん、あんずや梅のような酸味のある甘い香りがします。アタックは酸が豊かで、爽やかな果実味が口中を抜けアフターに香ばしさが残りました。とっても美味しいです!
チーズはフレッシュのブリアサヴァランです。
軽い酸味、きめ細やかな舌触り、ミルクのコクがほんと美味しい♪
ワインと合わせると、ワインの酸味が穏やかに感じられました。ワインのボリュームと香りがより一層楽しめるようになりましたが、余韻にちょっと収縮感が残ります。
こんなものかな?と思っていたら、先生が
チーズが口に残った状態で飲んでみてください
……というので試してみたら、
うっま!!!!!
細かい泡がチーズを溶かして、口中でとろけてめちゃ美味しかったです♪
さっき気になった収縮感はまったくありません。
ワインを含むタイミングでこんなに変わるの、ペアリングって奥が深い……。
このペアリングはどちらもフレッシュなので「④の熟成度合い」が合っていますね。
ほんのり甘口オレンジ ✖️ ミルクの甘味が優しいソフトなチーズ
次の合わせるワインは、デラウェア オランジュ 2020(マルス穂坂ワイナリー)です。
価格 | ¥1,738(Amazon) |
品種 | 山梨産 デラウェア100% |
アルコール | 11% |
色は明るく透き通った淡いオレンジ、ボリュームはやや軽め。香りは甘く蜂蜜や熟したメロンのよう。青みもあるが、香ばしさもありみたらし団子のようにも感じられた。口当たりは優しく、白い花のような甘い香りが広がる。アフターには酸味と収縮感が残りました。複数の香りが感じられる、軽めながら華やかなオレンジワインでした。
「アウスア・ウジョア」という初めて聞くスペインのチーズ。一応分類はセミハードらしいのですが、柔らかくねっとりもっちりしています。癖も少なくミルキーで美味しい。ほんの少しだけ青みもあるかな?ワインの青みに合うかもしれません。
さてワインと合わせると、相性は悪くはないんだけど…良いところを引き立て合う感じではなく、味が似ていて打ち消し合ってしまいました。後味にはワインの酸味だけが残り、あまり心地よくはありません。
チーズには「野ばらのはちみつ」が添えてありました。
華やかな良いバラの香りのするとても美味しいはちみつです。これをチーズに塗って食べると、チーズのクリーミーさが際立ってすごく美味しく感じられました。最高のデザートですね、気分はもう貴婦人です。
そしてこの「チーズ+はちみつ」にワインと合わせるとどうよ?……あれ。逆にワインの甘みと香りが悪目立ちしちゃうようになりました。このように「美味しい個性ばかりを重ねすぎてもバランスが悪くなる」という例だそうです。
「②の味わいと香り」「⑥の食感の軽さと重さ」が合うかと思ったんですが、とりあえず味合わせればいいというものではないですね。バランスが難しいな…。
今回のペアリングは、ジャムと紅茶で貴婦人風にするのが一番よさそうに思いました。
このチーズにはどんなワインが合うんだろう??
濃厚なデザート赤ワイン ✖️ 長期熟成ブルーチーズ
では最後のペアリングです!
ワインはこちら、グレイスワインの「周五郎」です。
※2022年までは「周五郎のヴァン」という名前でした。そちらの名前の方が馴染みがある方も多いのではないでしょうか。(ブログでお借りできた写真はまだ「周五郎のヴァン」でした)
周五郎は、ワイン発酵の途中でぶどうの蒸留酒を添加して、糖分を残したまま発酵を止めてアルコール度数も高くするという「酒精強化ワイン」です。さらに「下から抜いて毎年継ぎ足す」というソレラシステムをとっているため熟成感も楽しめる珍しいワイン。久しぶりにいただきました。
周五郎
価格 | ¥3,300~ |
品種 | 山梨県 マスカットベーリーA 甲州 |
アルコール | 16% |
醸造法 | マディラタイプ(酒精強化) フレンチオーク樽熟成4年以上 (ソレラシステム) |
ややレンガがかったガーネット。粘性がとても強く、脚が落ちるのがとても早い。香りもアルコールのボリュームが強く、香ばしい酸化熟成香に、少し野いちごのニュアンスのある甘い香りがしました。味わいもとても香ばしく、甘苦い。カラメルやチョコレートのよう。甘くてリッチなのに余韻は意外と爽やかで後を引きません。
チーズは長野の「アトリエ・ド・フロマージュ」の熟成ブルーチーズ「翡翠」です!
国内だけでなく世界のナチュラルチーズコンテストでも多数入賞する、大人気のフロマジュリーなんですよ。翡翠は人気のブルーチーズをさらに凝縮させて風味を強くさせたものです。
長期熟成のためカビの種類も変えているんだとか。
とてもクリーミーで、カビ感・塩味ちょうどよくって、旨味が複雑です。すっごく美味しい!
チーズは熟成することで旨味成分のグルタミン酸が増えるんだそうです。
ワインと合わせてみると、塩味の旨味、ワインの旨味がそれぞれよく引き立っていました。
初め教わったように、チーズを口に残しておくとワインのブドウの香りがよく感じられました。
これはとっても相性がいいですね!
④の熟成度合いを合わせたペアリングですが、⑤の味わいの対極もありますよね。
さてこのブルーチーズ、心学生さんの感想はこんなでした。
臭みが思ったよりなかった!
しょっぱさが美味しかった!
めっちゃいいおつまみ!
などなど、気に入ってくれた方が多くて安心しました^^
ペアリング一覧と感想
それぞれの食材・ワインを合わせてみた感想を一覧にしました。
スパークリング | オレンジワイン | 赤ワイン | |
---|---|---|---|
ブリアサヴァラン | 口中で泡がチーズを溶かしてとても美味しかった | スッキリしてて悪くないが、後味がよくない | デザート感覚で意外と美味しい |
アウスア・ウジョア | 合わない、両方の青みがえぐみになる。 | 悪くはないが、似た個性が打ち消しあってしまった | チーズの風味が圧倒的に負けている |
アウスア・ウジョア +はちみつ | はちみつ有の方がまだ良いが、良さは活かされてない | ワインの甘味と香りが悪目立ちしてしまった | 悪くないが、赤ワインのタンニンが気になった |
翡翠 | 泡が塩味を掻き消し、カビ臭さだけが残った | オレンジのえぐみ、青カビ臭さが目立った | 両方の旨味が引き立て合っていてとても美味しい |
フレッシュのブリアサヴァランにはシャンパン、ブルーチーズには甘口という王道がよく合うのは間違いなさそうですね。オレンジワインとアウスア・ウジョアを合わせるのが難しかったけど、ただベストのマリアージュだけ教えてもらうより、自分でいろいろ試行錯誤するのがとても勉強になしました。
同じ産地同士のものが必ず合うわけではない!?
吉田ソムリエから面白い考え方を教わったので紹介しますね。
「ペアリングの7つのポイント」でも、真っ先に「① 同じ産地同士の物を合わせる」が挙げられていますが、これは「結果としてそうなった」のではないか?と提言されていました。
昔は交通機関が発達していないので、遠くの産地の食材は手に入りにくいですよね。
どうしても身近にあるもの、「地のもの」同士を合わせるしかなかったのではないでしょうか?と。確かにそうですよね。
だから、「地のもの」同士の相性が生まれつきいいのではなく、地元の食材を活かして、相性がよくなるように工夫して地元名産のお料理ができていったのではないかと。それを長年やってきたから「地のもの」同士の最高のマリアージュが完成したのではないか、という考えです。
私はすごく納得が行きました。
そのため、歴史の長いワイン産地には、地元のワインにぴったりの地元のお料理が長年研究されてきているわけですね。そりゃ合うわけだ。
日本はそこまでワインの歴史が長くないので、日本ワインに鉄板のマリアージュってまだ固定されていない気がします。私が知らんだけだったらごめんなさい。
この授業をきっかけに、日本ワインとのペアリングの可能性が広がったらいいなと願ってやみません。
この授業で学んだことまとめ
今回の授業では「良いものをたくさん重ねればいいってもんではない」ということを学びました。難しいなー。
合わせ方の7つのポイントも教わりましたが、実際に口にしてから「このポイントが合ってるな」とわかるので、初めて買うワインに何を合わせるか選ぶって、だいぶ難しいなと改めて実感しました。無難な選択はできてもこれ最高!!とはなかなか。
一度買って飲んで、色々合わせてみて、その結果次はもっとこうしてみようって試行錯誤していくしかないかな?
これで5回のペアリング授業は終わり、ついに次回は自分の考えたマリアージュのプレゼンテーションです。
ワイン何にしよう???うーん……。
そこで私は、卑怯な裏技を思いついたのでした。つづく。
PENTASの皆様、今回も本当にありがとうございました♪
PENTAS | 山梨県立大学
https://www.pentas.yamanashi.jp/