映画「ソウル・オブ・ワイン」鑑賞レビュー! 美しく感動的!最後のシーンを誤解してる人が多いので正しく知ってください!

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この記事は映画「ソウル・オブ・ワイン」の情報と、観た感想や口コミのまとめです。
(ネタバレはクリックしないと表示されません。安心してスクロールしてね!)

映画 ソウル・オブ・ワイン https://mimosafilms.com/wine/

ブルゴーニュの風景ワイナリーの舞台裏が本当に美しく、ワイン作りの理念が哲学的でかっこいい!ワインファンならうっとりしてしまうこと間違いなしの感動的な映画でした!

口コミで最後のシーンが話題になってました。
劇場では「最後の意味わかんない」「いらないよね」なんて声も聞こえたり…。

ご覧になった方へ。あのシーンは事情があったってご存知でしたか?
知らないと誤解しそうなので、ぜひパンフは読んだ方がいいかと思いますよ!
(この内容はネタバレ欄で少しお話しします)

まずはネタバレなしの映画情報をご紹介します。

ソウル・オブ・ワインの事前情報(ネタバレなし)

「ソウル・オブ・ワイン」は、2019年にフランスで公開された映画です。

ロマネ・コンティやジョルジュ・ルーミエ、コント・ラフォンなどの超絶大人気の高級ブルゴーニュワインのメーカーが、畑や醸造設備、セラーを背景に話を聞かせてくれます。

2020年に亡くなった醸造学者・ジャック・ピュイゼさんも出ています。最後の貴重な映像になってしまいましたね。

ロマネコンティの畑

難しい内容も多かったけど、理念はもはや哲学でした。
特にロマネ・コンティ元オーナーのオベール・ド・ヴィレーヌ氏の言葉は謙虚で、崇高で、まるで聖書でも読んでいるような気持ちになりました。

また、映画監督はもともとブルゴーニュや高級ワインの愛好家ではなかったと聞き驚きました。芸術を通してブルゴーニュが好きになり、ワイン愛好家に出会って興味を持ったそうです。

美しい映画を撮ったのではなく「撮ったものが美しかったから。私は何も変えていません」という言葉が印象的でした。

映画視聴前の方へお伝えしたいこと

さて、これから観に行こう、と言う方へ3点アドバイスがあります。

早めに観た方がいいかも

残念ながら上映館があまり多くないんですよね。
私の住む山梨県も地元の香川県も上映していませんでした。(2022年11月現在)

ソウル・オブ・ワイン – 劇場情報
https://theaters.jp/11704

私は公開初日の土曜日に有楽町で観ましたが、それでも空席が多かったです。
もしかしたら上映期間はそんなに長くならない可能性があるかも・・・しれません。

興味のある方は早めに観た方が良さそうですよ。

パンフレットは買った方がいいかも

ブルゴーニュのワインカーヴ

映画はワインの生産者やソムリエが、ワインやブドウ、醸造などについて語っているシーンがほとんどです。その時、名前と肩書きは出るのですが、状況の説明はほとんどありません

「誰がどんなこと言っていたっけ」と絶対後でわからなくなるので、振り返れるパンフレットはあったほうがいいかなと思います。

また、パンフレットには著名なソムリエの情野 博之さんやジャーナリストの山本昭彦さんの詳しい考察も掲載されています。説明の少ない映画なので、著名な方々からの考察があるおかげでとても理解が深まりましたよ!

それと、冒頭でお話しした「これ知らなかったら評価変わるよなぁ」という裏情報もパンフに買いてあったので、それを知れただけでも買ってよかったなと思いました。

寝不足だとヤバいかも

全体を通して、静かに説明する単調なシーンが多いです。

フランス語で、ワインの話を難しく、また哲学的に、端的にランダムに・・・そしてそれが結構長く続きます。・・・私も何回か気絶しかけました(笑)

私はその日、山梨から有楽町まで移動してきてまして、そのまま鑑賞したので疲れたんですかねぇ。(言い訳)

寝不足で観に行ったらイチコロかもしれません。ご注意ください。

というわけで、事前の注意事項は

  • 見たい方はお早めに
  • パンフ買った方がいいよー
  • 眠くなるから気をつけてね

の3点でした。

さてここからは待望の(?)ネタバレです。
以下は観てから開いてくださいね。ネタバレOKな方はどうぞ。

ソウル・オブ・ワインの鑑賞後の感想(ネタバレあり)

映画の内容に触れるところもあるので、鑑賞後にお読みになることをお勧めします。うっかり目に入らないようにクリックしないと見えないようにしました。

ネタバレOKでしたらクリックして開いてご覧ください。

良かったところ

ネタバレ欄 ※クリックすると開きます

貴重な映像が満載だった
ルーミエのレザムルーズのテイスティングに始まり、同じくレザムルーズ45年のテイスティングに終わる、めちゃくちゃロマンチックでカッコイイ映画でした。

2019年に亡くなったジャック・ピュイゼ氏のコメントや、ロマネ・コンティの(元※)オーナーのオベール・ド・ヴィレーヌがロマネ・コンティをテイスティングしたコメントが聞けたりします。超貴重!(※2022年3月に引退)

コメントはちがう次元の神の言葉みたいでした。まさに高尚な詩を聞いているみたい。うっとりするくらい美しい映画でした。

もう一歩欲しかったところ

ネタバレ欄 ※クリックすると開きます

出てくるのが人気高級ワインばかりなところ

出てくるワインは、ルーミエのレザムルーズ、ロマネ・コンティ、ルソーのジュヴレ・シャンベルタン、ムルソーなど高級ブルゴーニュワインばかり。値段が高いどころか、売っていないものも多いです。

この映画を見て各国のセレブたちが「ぜひレザムルーズとやら、飲んでみたいわ」なんてことになったら益々なくなっちゃいそうじゃないですか?(笑)

今現在、大人気で取り合いになっている人気ワインばかりではなく、できれば、まだ知られていないけどその志を引き継ぐ生産者も紹介するみたいな視点が欲しかったなぁ・・・なんて思ってしまいました。

最後のテイスティングコメント、もっと具体的に聞きたかった
さて問題の最後のシーンです。パリのビストロル・プティヴェルドのオーナーソムリエの石塚秀哉さん、1つ星レストランパージュのシェフの手嶋竜司シェフが、ワインをテイスティングするシーンで終わります。そのワインは、ルーミエのシャンボールミュジニー プルミエクリュ レザムルーズ1945年。

一体どんな味がするのかきっとみなさん興味津々ですよね。

なのに2人のコメントは「うわ…なにこれ凄い」「今まで飲んだどんなワインとも違う」「言葉にできない・・・」(※うろ覚え)などの曖昧な言葉ばかりでした。

色はどうか、どんな香りがするのかなど、・・・具体的なテイスティングコメントは一切なかったんです。もうちょっと具体的に知りたかったなと思いました。みなさんそう思ったようで、冒頭のような不満の声が出ていたようです。


でも、帰り道にパンフレット読んでいたらその理由がわかりました。

なんと、監督から「ワインについて具体的なコメントはするな」と言われてたんですって。

えー!!!それなら何も言えないのも仕方ないですよね。逆にそんな制限の中でよくあそこまで表現したなと思えます。でもそれ、言ってくれないとみんな誤解しますよね。伝えた方がいいと思うよ!?
(だからここに書きました)

パリでの公開時は「あの日本人の感想がすごく良かった」と好評だったそうですよ。

この映画を観ただけで完結できるものではないかもなーなんて思いました。パンフレットや雑誌のインタビュー、考察を読み、同じく観た人と意見や情報を交換したり、そしてブルゴーニュワインを飲みながら、ゆっくり観たいですね。

他にもご覧になった方々の口コミをご紹介しますね。

ソウル・オブ・ワインの口コミ

勉強になった、ワイン好き必見

語る言葉が豊かで奥行きがある

生産者や樽職人の働く姿が尊い

公式情報

詳しくは公式情報もご参照ください。

公式ホームページhttps://mimosafilms.com/wine/
公式Twitterhttps://twitter.com/soulofwinefilm
劇場情報https://theaters.jp/11704

余談:レザムルーズの値段と味について

さて、映画ではシャンボールミュジニー レザムルーズが印象的に描かれていましたね。

1945年というと、77年前のワインですね。1945年は世紀のビッグビンテージで現在でもまだまだ枯れていないとか・・・。同じものは市場にありませんでしたが、近いものがいくつかありました。

ジョルジュ・ルーミエ
シャンボールミュジニー レザムルーズ
1976年 110万円

ヴィンテージがだいぶ違いますが、こちらも45年ものの古酒。1976も70年台の中では良い年とされています。

コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
シャンボールミュジニー レザムルーズ
1945年 33万円

こちらは生産者が異なり、大人気のコント ジョルジュ・ド・ヴォギュエ。売り切れなのでいつの値段かはわかりませんが、1945年で33万円はなんだか安いようにも思えてしまいます。

アルベール・ビショー
シャンボールミュジニー
レザムルーズ1945年 16.5万円

同じく生産者違いの1945年です。ここまで来ると16.5万円がめちゃくちゃ安く見えませんか?(笑)

同じ畑でも、生産者、ヴィンテージによって価格が全く異なるので一概には言えないですね。

シャンボールミュジニーは、繊細なブルゴーニュの中でも特に繊細で華やかなので、長期熟成には向かない・・・思われがちですが、思ってましたが・・・予想外に大丈夫だった事があります。

古いものですが、お写真あるのでよかったらご覧ください。
コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのシャンボールミュジニー レザムルーズ1977です。

たしか2017年頃、40年くらい経った時に飲んだので、もちろん枯れていましたが、それでも全盛期を思わせる美しく儚いワインになっていました。

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのシャンボールミュジニー レザムルーズ1977ラベル

コルクはカビカビのボロボロでした。

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのシャンボールミュジニー レザムルーズ1977コルク

ワインはすっかりレンガ色。

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのシャンボールミュジニー レザムルーズ1977の色

1977年は相当よくない年なので当てにならないかもしれませんが、それでも儚さが楽しめるくらい美味しかったので、1945年っていったいどんな味なんでしょうね・・。

劇中の1945年の味わいの感想は、とても1940年代と思えないくらい若かったそうですよ。
そんな経験をしてみたいですね♪