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ボジョレーの帝王、ジョルジュ・デュブッフ氏が2020年に永眠されたそうですね。
ジョルジュ・デュブッフって人の名前だったのね!ワインの名前かと思ってた。
「ジョルジュ・デュブッフ」とは、ジョルジュ・デュブッフ社の創始者の名前です。
「ジョルジュ・デュブッフ」と検索してもボジョレーヌーヴォーワインのことばかりで、ジョルジュ・デュブッフ氏ご本人の話があまりなかったので、この機会にまとめておくことにしました。
ヌーヴォーなんて、と馬鹿にする人も多いですが、日本にワインブームを起こしワインファンになるきっかけをつくってくれたことは間違いないですね。
氏の貢献に感謝をこめて。
ジョルジュ・デュブッフGeorges Duboeufとは?
ジョルジュ・デュブッフとは、フランスの大手ワイン会社の名前であり、その創始者の名前です。
この記事の中では「ジョルジュ・デュブッフ社」「ジョルジュ・デュブッフ氏」と分けて表記しますね。
ジョルジュ・デュブッフ氏Georges Duboeufはどんな人?
ジョルジュ・デュブッフ氏は、1933年ボジョレーの隣、マコネー地区のプイィフィッセ村に生まれ、ボジョレー・マコネーのワインの生産・販売に大きく貢献した人物です。
ブドウ農家に生まれましたが、早くにお父様を亡くされたため、子供の頃から作業を手伝っており、ワイン醸造家として初めての仕事は6歳の時だったそうです。
6歳って、小学校に上がるくらいですよね・・・。
また、11歳年上の兄ロジェはジョルジュのことを「妖精たちが明敏で、先駆的で、驚くべき味覚とアロマを見破る驚くべき鼻を与えた」と評しています。
古い本の翻訳のせいもあるかもですが、うーん、なんともポエマー。
どんだけのテイスティング能力だったんでしょうね・・・6歳にして・・。
ボジョレーを軽んじる方も多いと思いますが、ロマネコンティの元オーナー、マダムルロワもジョルジュ・デュブッフ氏のテイスティング能力を信頼していたといえばその実力が伝わるでしょうか。
さて、ボジョレーヌーボーがここまで有名になったのは、品質もさることながらジョルジュ・デュブッフ氏が優れたマーケッターであったためです。
人物や農産物やワインなどの浸透と、安定した成功を収めるためには宣伝とメディアの力が決定的に重要。広くいく渡るのに品質だけではもう十分ではなくなっていた。
書籍 ボージョレ・ワイン物語より抜粋
・・というようなことを1950年以前にもう考えていたそうだからすごい。
そしてボジョレーヌーヴォーの解禁日をイベントに仕立て上げ、「LE BEAUJOLAIS NOUVEAU EST ARRIVÉ !(ボジョレーヌーヴォーがやってきた!)というキャッチーなコピーで世界中にプロモーションし、それが大当たり。
その功績が讃えられ、ジョルジュ・デュブッフ氏は「ボジョレーの帝王」と呼ばれています。
ボジョレーブームの頃は解禁日には毎年来日されていましたよ。今ではお孫さんのアドリアン氏(イケメン)が輸出部長として来日したり、プロモーションされています。
公式Facebookページで最新のお知らせが見れますのでぜひ。
https://www.facebook.com/Georges.Duboeuf.jp
ジョルジュ・デュブッフ社Georges Duboeufはどんな会社?
1956年、ジョルジュ・デュブッフ氏23歳の時、ボジョレー・マコネー地区の生産者を45名集め、「エクラン・マコネー・ボジョレー」Ecrin Mâconnais-Beaujolais という協同組合を作りました。
共同費用で、生産者最高のワインを最高の状態に育て、最良の状態で市場に出そうというものです。
初めは順調でしたが、45人もの生産者とやっていくことが大変だったそう。1960年にご子息のフランク氏が生まれたこともあり、ジョルジュが組合をいったん去ったことで皆いなくなり、事実上解散。
その経験を経て1964年にジョルジュ・デュブッフ社が設立されました。
エクランでの理念同様、自社畑のぶどうを使ってワインを醸造・瓶詰して販売するだけでなく、ボジョレー地区全域の栽培農家から最高品質のぶどうを買い付けてブレンドし、瓶詰して販売しています。
2020年のボジョレーは味が違う?
ジョルジュ・デュブッフ氏は1月4日に亡くなったため、2020年のブドウを見ることはありませんでした。
そのため、今年2020年のワインは、はじめてジョルジュ・デュブッフ氏が監修していないワイン、ということになります。
味が変わってしまうのでは・・・と心配の声もあがっています。
ジョルジュ・デュブッフ社輸出部長アドリアン氏のコメント
それに対し、アドリアン氏から以下のようなコメントが発表されています。
祖父の訃報を受けて、「ジョルジュ デュブッフ社のワインは無くなるのか?」や「味が変わってしまうのか?」という日本の皆さんの声をいくつか拝見しました。
https://www.facebook.com/Georges.Duboeuf.jp/?fref=ts
祖父は天国に旅立ちましたが、彼が作り上げてきたDNAは僕たちの中には未だに生き続けており、その伝統を継承しつつ、新生ジョルジュ デュブッフ社として成長していきたいと思います。
これまでのノウハウで継続、成長していくことをコメントされています。
応援していきたいですね!
2020年の特別なボジョレー・ヌーヴォー「ラ・ロズレー」
そして、今年は限定のボジョレーヌーボー「ラ・ロズレー」が販売されることになりました。
「ラ・ロズレー」とはフランス語でバラ園の意味。ラベルには「La Roseraie de Georges」(ラ・ロズレー・ド・ジョルジュ)=ジョルジュのバラ園、という意味です。
ジョルジュ・デュブッフ氏の功績を称え、自社畑の周りにバラが植えられたことにちなんだ名前だそうです。
ジョルジュ・デュブッフ社はたくさんの契約農家からワインを買い付けていますが、この「ラ・ロズレー」は契約農家ではなく、ジョルジュ・デュブッフ社の自社畑のみ。
さらに日本限定販売とのこと。
日本のボジョレーファンへの特別なヌーヴォーなんですね。Amazonや楽天で¥2,600ほどで予約受付されています。
ジョルジュ・デュブッフ氏監修の最後のワインが買える?
ジョルジュ・デュブッフ氏が最後に監修したのは、2019年のボジョレーヌーボーということになりますね。
改めて飲んでみたくなるところですが、流石にもう売っていないですよね・・・と思ったら、あった(笑)
近くのセブンイレブンに売っていました。
きっと私と同じように、ジョルジュ・デュブッフ氏最後のワインを飲んでみたいお客様がいるのでは、と思って出したのかな・・?
意外と探してみたらあるかもしれませんよ!酒屋さんに聞いてみてもよさそうです。
ジョルジュ・デュブッフ氏のメッセージ
最後に、Facebookページの画像を引用させていただいて、ジョルジュ・デュブッフ氏のメッセージを紹介します。
美味しいワインができた喜びを、家族や友人など大切な人とみんなで分かち合ってほしい
今年は、日本にワインブームを起こしてくれたことに感謝しながら、ラ・ロズレーをいただきましょうかね^^
2020年のボジョレーヌーヴォーについての記事はこちら
記載内容は以下の情報を参考にしています。
ジョルジュ・デュブッフ公式ホームページ
http://www.duboeuf.com/
ジョルジュ・デュブッフ公式Facebook ページ
https://www.facebook.com/Georges.Duboeuf.jp/?fref=ts
輸入元サントリー ホームページ
https://www.suntory.co.jp/wine/special/kaikin/index.html
書籍
ボージョレ・ワイン物語 ジョルジュ・デュブッフ、アンリ・エルヴァン共著 平凡社(1990)
現代ワインの挑戦者たち 山田健著 新潮社(2004)