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センスの良いイラストが満載で、教科書というよりおしゃれな絵本みたいなワイン本でした!
内容はちょっと古いところも?詳しく解説します!
「ワインは楽しい! 増補改訂版」は友達にワインを教わっているような感覚で楽しめる、とってもおすすめのワイン本です!
ただ、内容が古く感じるところがわずかにありました。
この記事で補足解説しますね!参考にしてください!
「ワインは楽しい! 増補改訂版」は内容が古い?
「ワインは楽しい 増補改訂版」は見た目絵本みたいだけど、内容はかなり専門的でボリュームがあります!ワイン入門の百科事典という感じです。
でも、少しだけ「これは古いかな?」と感じる情報もありました。
赤ワインは体に良い?とか、昔から言われているけど実際どうなの?的な情報が、この本では今でも事実のように書いてありました。
昔はそう言われていた、くらいの感覚
意見の分かれる情報も多いので、「昔はこう考えられていた」と抑えておくのが良いかと思います。
では詳しくご説明しますね。
「ワインは楽しい! 増補改訂版」とは?
「ワインは楽しい! 増補改訂版」は、2018年にパイ・インターナショナルが出版した、
276ページもある大判(B5くらい)の書籍です。(¥2,915(税込))
どんな本かな?と気軽に探してみたら、思ったより大きくてびっくり!
持ち歩いて読むのはしんどいですよ(笑)
著者 オフェリー・ネマンって誰?
「ワインは楽しい! 増補改訂版」を書いたのは、オフェリー・ネマンさん。
オフェリー・ネマンさんは、フランスの新聞「ル・モンド」にワインコラムを連載していることで有名です。
動画インタビュー
オフェリーネマンさんのインスタ
美人なのに気さくな感じで、一緒にワインを飲んだらとても楽しそうですね!
フランスの新聞「ル・モンド」のワインコラムはこちらです。
https://www.lemonde.fr/blog/missglouglou/
「ミスグルグル」と書いてありますが、これはオフェリー・ネマンさんのペンネーム。
ワインを注ぐときの「トク、トク」という音をフランス語では「グルグル」というんですって。
最新のコラムはオフェリー・ネマンさん名義で公開されていましたよ。
https://www.lemonde.fr/signataires/ophelie-neiman/
無料で読める記事もあるので、ご興味あればぜひ!(右クリックで日本語に翻訳しますw)
では「ワインは楽しい! 増補改訂版」の内容をご紹介しますね。
「ワインは楽しい! 増補改訂版」の内容は?
「ワインは楽しい!」では、6人のワイン通の友人が登場します。
それぞれ得意な分野で詳しくワインを解説してくれますよ。
- ホームパーティー
- テイスティング
- ぶどう栽培・収穫・醸造
- ワイン生産地
- ワインと料理の組み合わせ
- レストラン・ワインショップでの選び方
ホームパーティーでワインを楽しむ
第一章では、おもてなしの達人、ジュリエットがホームパーティーでのワインの選び方、扱い方、道具などを詳しく解説してくれます。
特に、「こんな時にはこのワイン」というシチュエーション別おすすめワインが面白かったです。
例:
ビジネスの食事会で、話がまとまった時は・・・ボルドーのサンテミリオン、
プロポーズするときは・・・ブルゴーニュのシャンボール・ミュジニー、
勝利に酔いしれる時は・・・イタリアのバローロ、など。
わからなくはないけど、なんで!?(笑)
また、残ったワインを使う料理のレシピや、飲みすぎた翌日の二日酔いの対策まで書いてありました!
まさにホームパーティー慣れしている人ならではですね(笑)
注意点
ホームパーティー編での「?」情報は染み抜きについてです。
「赤ワインのシミをつけてしまったときは白ワインで落としましょう」と書いてありました。
赤ワインのシミは白ワインで落とす、というのはよく言われますが、実際にはお勧めできません。
確かに真っ赤な色は取れるんですが、シミが残ります。
白ワイン以外何もない時に試した苦肉の策だと思います。
真っ赤なまま帰るよりマシですもんね。
さらに「アルコールと白ワインビネガーを用意しておきましょう」と書いてありましたが、自宅であらかじめ用意するなら、洗剤か専用の染み抜きの方良いのではないかと思います。
どれが一番よく落ちるか?実験した記事がこちらです。
テイスティングの心得を学ぶ
ワインを口に含んで、味や香りを、舌・鼻のどの部分で感じるか、って考えたことありますか?
自分にはワインの味はわからない、と思っている方は特にこの章をご一読ください!
この章ではギュスターヴ (男性)が、ワインの味わい方を詳しく教えてくれます。
ちょっと教科書っぽくて難しそうに見えますが、一度読むとワインの感じ方がガラッと変わる!(かもよ?)
何事も、意識することで感覚って研ぎ澄まされますよね。
これから飲むワインがすべてもっと美味しくなる・・・かも(笑)
注意点
この章では「フレンチ・パラドックス」のことが紹介されていました。
ワインを飲む人のほうが健康だった、というアレですね。
フレンチ・パラドックスについては意見が分かれるところです。
「昔からそう言われている」くらいにお考えいただくのがいいかと思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ぶどうにまつわる話 品種から育成まで
次の章では、ワインの原料である「ワイン用ブドウ」について。
品種や育成、醸造についてかなり専門的な内容が解説されています。
大学生のエクトールが、夏休みにブドウの収穫体験をした話をしてくれるのですが、バイトの収穫体験だけでそんなこともわかる!?っていうくらい網羅されています(笑)
この章も教科書っぽいですが、ブドウ品種のページには香りや味をイメージする花やフルーツが描かれていてとても華やかで明るいページになってます。
ここ見てるとよだれがでてきます・・
この章はワインを話話がたくさんなので、ワイナリーに行く予定のある方には
ぜひご一読いただきたいところ。理解がぐっと深まりますよ!
注意点
この章の注意点は、「ワインの保存方法について」です。
P141にこのように記載されていました。
・コルク栓は湿っていないと乾燥するので注意。ボトルを必ず横に寝かせて保存する。
私もソムリエの勉強をした時、そう習いました。
でも、最近では「それは間違いだった」と考える人も多いんですよ。
コルク栓のワインは横にして保存しないほうが良いー研究者 (2018年6月15日)
http://www.worldfinewines.com/news18/180615storingwineonitsside.html
未開封のコルク栓をしたワインを横に寝かせて保存しても、コルクの乾燥を防ぐ効果はなく、ワインの状態を悪化させる可能性すらあると指摘した。
ワインの液面とコルクの間の空間(ヘッドスペース)の湿度は100パーセントで、ワインを立てておいたからといってコルクが乾燥することはない。ワインは横にして保存するのが良いというのは、長年信じられてきた俗説に過ぎないと指摘している。
書籍「ワイン習慣」でも「実はこれは間違いで、むしろ寝かせて保存することで悪影響があることがわかっています」と記されています。
実際どうなんでしょうね。
同じ条件で比較した事例を多く検証しないとわからないですね。これも意見が分かれます。
今までは「横にしないとコルクが乾燥する」というのが通説だったので、まだまだその通りに教えてくれる人の方が多いと思います。
もし、誰かにそう言われたら、上記URLについてどう思うか聞いてみてください(笑)
ワイン産地を訪ねる
次はワインの名産地を紹介する章です。
カロリーヌという女性がワイン産地を訪れる話で、
一年のロングバケーションをとって、都会を離れてワインを楽しむことにしたとか。
いいですねー、1年休んで世界ワイン旅行! 羨ましすぎますw
カロリーヌの旅先はフランスだけでなく世界中!
代表的なワイン生産地が網羅されています。
特定の銘柄を推すのではなく、あくまで産地の特性だけが書かれているのも好感が持てますね。
実際にワインを買ってきて、このワインの産地はどんなところだろう?と
調べながら飲むのにぴったり。
やっぱり「ワイン百科事典」的に手元に置いておきたい本です。
ワイン民謡
また、この章ではワインにまつわる民謡も教えてくれました。
Youtubeにあったので、ぜひ聴いてみてください♪
・円卓の騎士たち Chevaliers de la table ronde
楽しい曲ですね♪「円卓の騎士たち」はブルゴーニュ騎士団の民謡です。
日本語詞もどうぞ。
http://ezokashi.opal.ne.jp/f_chevaliers.html
・ここにいたのか、ぶどうを育てる者よ Te Voici Vigneron
スイス民謡です。
・農婦の頰被り Fanchon – Chanson à boire
18世紀の民謡です。
日本語で歌詞の意味を確認できると面白いですね。
ネット上では下2つの日本語歌詞は見つかりませんでしたが、「ワインは楽しい! 増補改訂版」P203に掲載されていますよ。
料理とワインの組み合わせの基本
次は、料理とワインの組み合わせについてです。
ワインでいつものお料理がさらにおいしくなったことに驚き、組み合わせを研究しているというクレマンティーヌが教えてくれます。
「ワイン殺しの食材たち」のイラストがまた面白かったです。
ちょこっとご紹介しますね。
お料理によく使われるビネガー、にんにくもあったのが意外でした。
確かにあまりきついと合わせにくそう。
絵と表現が面白すぎて忘れられませんwww
「料理とワインの美味しい組み合わせ早見表」もおすすめです!単語帳にできそう!
フランスの本なので当たり前ですがお料理が洋食ばかりなので、和食でこういうリストあったら良さそうですね!
注意点
料理とワインの組み合わせ編では大きな注意点はありませんが、「この組み合わせが美味しい」、「これはダメ」とはっきり書かれているのが気になりました。
そこまで言うかな?という印象ですが、フランス人らしい気もしますね(笑)
好みによっても全然違うので、決めつけず楽しんでくださいね。
それと、料理とワインを組み合わせることを「マリアージュ(結婚)」と言いますがちょっとクラシカルで重たい印象の言葉になってきてますね。
最近は「ペアリング」という方がスマートで好まれるようですよ。
レストラン・ワインショップでの選び方
最後はワインの買い方です。大事ですね。
自宅の地下を改装してワインセラーを作ってしまったというポールが教えてくれます。
ぜひお友達になりたいですね(笑)
この章では、ワインのコストについて詳細が面白かったです!
ワインの原料費、醸造費、運営費、瓶詰め費、外装・販売費。。
なんだかマーケティングの勉強をしている気分になりますが、マーケティングの闇も教えてくれました(笑)
「この宣伝文句にはなんの意味もない!ボルドー地方の知名度を利用しようとしているだけ。」そこまではっきり言う!?(笑)
ここまではっきり教えてくれる本はちょっとないかも・・!
注意点
他の本にはない面白い情報が満載の必読の章でした!
でも、
真剣に読んでいると、ワインは若いうちにまとめて買って自宅で寝かせておくのがベストだと
考えるようになって、ワインセラー購入を検討し始めるかもしれませんので、気をつけて!(笑)
おさらいテスト
最後は、参考書のようなまとめテストがあります。
「え!?そんなことどこで言ってたっけ??」と探してしまいました(笑)
楽しいし、知識が定着するので、ぜひやってみてくださいね。
おさらいテストの注意点
レストラン・ワインショップのポールの章問題で、「レストランのグラスワインの量は?」というのがありました。
答えは12clなんですが、「cl」っていう単位は馴染みがないかも。
clというのは「センチリットル」
日本では見かけませんが、フランスではよく使うんですって。
cm「センチメートル」がメートルの100分の1なので
cl「センチリットル」はリットルの100分の1、要はml「ミリリットル」の10倍ですね。
12cl=120ccということ。
これは、ワイン一本750mlから、グラスワイン6杯取れると計算するためです。
(750÷6=125ml)
でも・・・量はお店によって結構違うよね?(笑)
ざっくり内容はこんな感じです。
勉強になりましたし、とても面白かったです!
人気のある理由がわかりますね。
買いたくなってきたところしょうか?ちょっと高いんですよね。
「ワインは楽しい! 増補改訂版」は中古でいくら?
Amazonの定価は2915円、中古だと2200円からありますが、送料がかかるので、なら定価買うかなぁ?
メルカリでは2,000円弱が相場のようですが、売り切れていました。
なかなか人気なんですね!
「ワインは楽しい! 増補改訂版」はこんな方におすすめ
- 総合的にワインの基礎知識をつけたい方
- ワインの百科事典が欲しい方
- おしゃれなフランス気分でワインを楽しみたい方
「ワインは楽しい! 増補改訂版」はおしゃれなワイン絵本教科書、という感じです!